scopedogさんはね、虚偽DVっていう一番やばい主張が右翼と被ってるんですよ
三国志展についてもうひとつ、仏像のことを書いておきたかったんだけど、scopedogさんがまたぞろ言い訳してるようなのでそっちに対応しておく。
scopedog.hatenablog.com
大切なことだから冒頭に大きく書いておくね。
- 私は共同親権がまずいと言っているわけではない。
- 共同親権を隠れ蓑にしたDV防止法の骨抜きがまずい。
- 保守派の連中はそれを隠しもせずにべらべら喋っている。
- 人権課題についての社会運動で、明らかにまずい目的を隠そうともしない連中が大量に関わってきたらあなたはどうしますか?
- 私だったら、その連中を運動からパージする。運動の目的を大きく毀損するからだ。
- scopedogさんは明らかに、保守派の目的に気付いている。
- なぜ、問題視しないのか。
- scopedogさんも保守派と同じ目的をもっているから。虚偽DVっていう一番やばい主張が被ってるんですよ。
めっさホラーだね。
前から言っていることだが、離婚後の共同親権の必要性については離婚家庭の子ども当事者だった私の方がscopedogさんよりよっぽど知っとるわい、としか言いようがない。保守派とそれに同調する共同親権推進派の発言を目の当たりにするまでは、共同親権推進した方がいいわー、と思っていたくらいなのだ。ただ、私は離婚家庭における子どもの権利の扱いが、はなはだないがしろにされがちなのも身をもって知っている。会いたいのに会えないのもイヤだが、会いたくもないのに会え、もお断りだ。そういう意味では共同親権を謳う法律案がどの程度、子どもの人権に配慮したものなのかは、非常に興味があったのだが、出てきた代物は驚愕するしかないものだった。それが以下の法文案である。
https://nacwc.net/files/houbun.pdf(PDF注意)
これを一読してすぐに気付いたのが、この法律案には複雑な家庭に育つ子どもにとって重要な、子どもの意見表明権が全く書かれていない!という事実だ。子どもの権利条約にも書かれている重要な権利でもあり子どもの権利を擁護する上で欠かせない権利のはずである。それがない理由にもすぐに気付いた。保守的家族観の横溢する文面だ。第一条の目的には以下の文言が挟み込まれている。
この法律は、父母の離婚等(未成年の子(以下単に「子」という。)を有する父母が離婚をすること又は子を有する父母が婚姻中に別居し、父母の一方が当該子を監護することができなくなることをいう。以下同じ。)の後においても子が父母と親子としての継続的な関係(以下単に「継続的な関係」という。)を持ち、その愛情を受けることが、子の健全な成長及び人格の形成のために重要である
離婚家庭育ちの人間は不健全なのだろうか?お上から健全、不健全な家庭を指定するような法律案は健全なのだろうか。普通の左翼ならば、そういう疑問が真っ先に浮かぶ文言だ。scopedogさんがこの法案になんの疑問も持っていなかったことと、なぜこの法律案で保守的な家族観が横溢しているかについては、下記でも書いているので引用しておく。
eoh-gs.hatenablog.com
しかし、そうした後出しじゃんけんは置いておいて、なんで千田氏はDV離婚にこだわってるのかっていうのを考える必要があるんではないだろうか?
scopedogさんのエントリーを読むと千田有紀氏が一人でかってにDV問題にしたがっているようにしか見えないので全く分からないけど、それはこの「親子断絶防止法案」を推進している団体「親子断絶防止法 全国連絡会」(サイト http://oyako-law.org/index.php)がめちゃくちゃそれにこだわっているからなんだよね。(よく読めば千田氏の文章もそういう記述なんですが。リンク張ってるし) (中略)いろいろともっともらしい理由がついてはいるがこのサイトの人たちはDV防止法が目障りなんだろうな、と思います(個人の感想です)。さらに、このサイトにある立法の目的みたいなのがひどい。連れ去りや離婚ではなく、不幸な事故や病気で片親を失った子どもは、日々片親の素晴らしいところを聞きながら成長し、子どもは自尊心を持って成長していくことでしょう。
私たちは生きているにも関わらず、子どもと触れ合うこともできません。
美しい思い出は、少しづつ色褪せ、後から少しずつ長い時間をかけて吹き込まれる事後情報に、記憶も少しずつ歪められていきます。長い年月を乗り越えて再会した頃には、子どもは離れて暮らしている親への愛情を完全に失っているかの様なこともあります。それでも私たちの子への愛情は消えません。誰がどんなに消そうと試みても、子どもへの愛情は失いません。
子どもには両親が必要です。子どもも両親を愛しているのです。子どもが両親の愛情を日常的に直接感じられること、頻繁かつ継続的な交流こそが子どもの利益ではないでしょうか?
求める立法 - 共同養育支援法 全国連絡会愛情とか美しい感じの言葉が書かれているけど、一番最初で連れ去りと離婚を同一視してしまっているというおっちょこちょいぶりを発揮。
ここでscopedogさんが擁護している団体として触れている親子断絶防止法全国連絡会(当時)は、その後、右翼路線を隠しもせずにテキサス親父事務局の藤木俊一の動画を紹介している。
oyako-law.org
動画はこちら
ここまで書いても往生際の悪い人は「違うよ、全然違うよ」「たまたま被っただけ」とか言うかもしれない。しかし、冒頭で書いているように、この連中は「子どもの連れ去り」「虚偽DV」等の文言を用いてはっきりと自らの目的が奈辺にあるかを喋っているので、代表的事例として杉田水脈のニコ生での発言を引用しておく。
eoh-gs.hatenablog.com
杉田水脈
あのねー、まぁその議論の中でですね、私たちはこんなに頑張ってDV法を作ったりー、とかいろいろ福島瑞穂さんが言ってました。で、あのDV法とか作ったから余計に女性は弱者だっていう形で肯定されてしまっているという問題があって、これが最近、私のところにいろんな方から、実際の方から、直接お話を聞いている「子どもの連れ去り問題」なんです。で、「子どもの連れ去り問題」って言ったら皆さん誘拐されてどっかに連れてかれると思うでしょ。そうじゃなくって、ある日、突然、奥さんと子どもが、姿を消してあのシェルターとかに匿われて、お父さんはいきなり会えなくなる、っていうやつなんですよ。
中丸啓
それ理由がDVなわけね
杉田水脈
そのお父さん実はDVとかやってないんだけれども(中丸 ああ)
杉田水脈
今ねー役所の窓口に行ってね。「怖いんです」(高い声)て言うだけで、もうそこでお父さんはシャットアウトされて、子どもとお母さんはシェルターに入れられて
中丸啓
え、それ、でも例えば役所に逆に男性がね、自分の子ども連れて「うちのお母さん怖いんです」(高い声)て言っても匿ってもらえるの?
杉田水脈
普通はねぇ、そうなんだけど、ほとんどのシェルターとかは女性向けなんで(中丸 あー)。で、そういうところに男女共同参画の予算とかが、すごい注がれていて、実際にそういうのがあって、今は多いのはね、女性が、先程のじゃないけれども、不倫してる。ばれそうになったら役所とかに駆け込んで、「あたしDVに遭ってるんです」(高い声)って言うと、もう旦那さんは(被って聞き取れず)
中丸啓
それって調べないの?
杉田水脈
調べないんだって。これがDV法がどんどんどんどん強化されていっているんですよ、それで。で、ちょっとしたことで、別に暴力振るわれてなくてもいいとかね。
中丸啓
そりゃほんとにね、暴力振るわれて困ってる人たちはいるんだけど(杉田 人たちはいるんだけれども)保護しないといけないけれども、そうじゃない人は、まぁ要は生活保護だってそうだけれども、本当に保護してあげないといけない人たちと、それをいいことに乗っかっている人たちを、仕分けはやっぱりしないといけないよね。
杉田水脈
そう、そうなの。だからやっぱり痴漢冤罪とかもそうだけど、じゃぁこの人痴漢て言われたら9割やられちゃうらしい、ほんとにやってなくても。(中丸 ほんとにやってなくてもね。)冤罪だと晴れたとしてもね、社会的地位も全部失って、これも、この問題もね。弁護士が100%勝てるんですって。だからこの問題ね、私も色々な方の話を聞いて、もしかしたらその人ほんとにDVやってるかもしれないから、そんなのもアレなんだけれども、1つ言えるのは構図が慰安婦問題と一緒なんですよ。弁護士とか、そういう日弁連とかが、国連に言いに行って、そんなに日本はDVが多いです、男の暴力が多いです、男尊女卑です、っていうことを国連に言いに行って、で国連からこうきて、DV法を作れとか、いうことをやっていて、そこに群がっている人権派弁護士とか、そこにいる人、組織、構図が慰安婦問題と全く一緒なんです。これだけは言える真実なんです。だから今後もっとこの話は私深めて調べて行かないといけないんですけども、こういう子どもの連れ去りで、やっぱり裕福なお父さんが狙われる。社会的地位がある人たちが狙われていくので、金取れるでしょ。(省略)それであの今後はそういった問題にも取り組んでいきたい、というふうに思っております
【帰ってきた!!】夜のみおちゃんねる 定期配信【祝!!】 - 2017/11/25 20:00開始 - ニコニコ生放送
↑ちなみに前はYouTubeに上がってたんですけど、今は見れないので見たい方はここが元の動画です。
ついでにはすみとしこのも挙げておくか。
はすみとしこさんも絶賛参戦中だよ。すごいね(棒
冤罪DVはホント酷いと思う。やられた側(多くは男性)が気の毒なのは勿論のことだが、最大の被害者は、「両親揃い、愛情に包まれた環境を突如奪われた子ども」だ。これは「子どもの人権問題」だ。これは「片親による子どもの拉致」だ。政府はハーグ条約を履行せよ。 https://t.co/KytUe6Qwen
— はすみ としこ (@hasumi29430098) 2018年7月12日
保守ウォッチャーしてたら藤木―杉田―はすみ、が昵懇なの知ってるよね。scopedogさんが運動に入っている右翼連中を良く認識しているのは下記のエントリーでも紹介しています。
eoh-gs.hatenablog.com
ここで引用しているscopedogさんの文章を再度引用しておこう。
ところで私も親子断絶防止法関連で賛成派と反対派のやり取りを見ているのですが、敢えて左右の色分けをするならば、賛成派が右、反対派が左という傾向は確かに見られます。賛成派で、排外差別に肯定的だったり、反民主・反社民・反共産といった発言も確かに多く、ネトウヨが多いという印象は確かに否定できません。
社民党も共産党も法案には反対の姿勢のようですから、左派は反対の傾向が強いというのも否定できません。
困ったことに、家庭教育支援法案というガチの日本会議案件と、この親子断絶防止法案を混同している人も結構見かけます。
“伝統的家族観”大好きの日本会議にとって、離婚家庭はそもそも興味の範囲外なので親子断絶防止法案が日本会議案件であるわけもないんですけどね。親子断絶防止法案を推進してきた別居親の団体は、社民や共産といったリベラル系から相手にされなかったこともあり、保守系に助けを求める以外なかったという事情を考慮すべきです。
ハーグ拉致条約の際、排外主義団体と並んで最も激しく抵抗したのが、リベラルの牙城たる日弁連だったこと*1は、これを理解するうえで重要なポイントです。
左派は伝統的にDV被害を受ける女性を救済する方向で活動し、それに特化し過ぎたため、DV防止法が“悪用”されている実態の把握や対処ができていません。
“悪用”という言い方は適切ではないかもしれません。むしろ特化しすぎたため袋小路に迷い込んだという方が適切かもしれません。
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20170328/1490651379
はい、あっさり「DV防止法の悪用」に言及しています。わかりやすいですね。
杉田水脈と主張が丸かぶりじゃん!
また、ここで「“伝統的家族観”大好きの日本会議にとって、離婚家庭はそもそも興味の範囲外なので親子断絶防止法案が日本会議案件であるわけもないんですけどね」と言及している部分が事実と反していることは、Twitterでのakabishiさんや能川元一さんの注意喚起を見るとよいと思います。『祖国と青年』が日本会議と非常に縁が深いのはググればわかりますよね。前にも書きましたが「離婚家庭は伝統的家族を破壊する存在なんですから、めっちゃコントロールの対象として考えてるに決まってますがな。」と突っ込ませてもらいましょう。保守派って案外柔軟なんですよ。
んー、8月号に続きまたエドワーズ博美氏による「連れ去り」に関する寄稿が。
— akabishi2 (@akabishi2) 2018年12月9日
《家父長制が削除され個人主義が蔓延する世の中になってしまった…日本の家族制度は、離婚弁護士らにより完全に解体の危機に瀕し…》
あーやっぱりな。。。(´Д` )
祖国と青年12月号https://t.co/qoIfzOfpvo
問題は「共同親権」を主張するグループの一部が、この「離婚弁護士による家族解体を許すな」などという妄想的な右翼に対して、余りにも無防備に見えることだな。 https://t.co/FSyI0mXdEG
— akabishi2 (@akabishi2) 2018年12月9日
これはほんと気をつけて欲しい。https://t.co/YxR5NXkswV
— 能川元一 (@nogawam) 2018年12月9日
家族に関わるトピックでは、右派の主張の上っ面だけ見ていると別に変なこと言ってないように見えることが多いから厄介。
最後に、scopedogさんの「離婚後共同親権を日本会議の陰謀呼ばわりする人は主要な諸外国が軒並み離婚後共同親権を容認していることをどう思っているのだろう?」という疑問に答えておきますけど、別にめちゃくちゃあからさまだから陰謀だと思ってないし、虚偽DVとか喚いてる右翼連中を運動内から自浄することができるなら、全然容認しますよ。まあ、浄化された共同親権制度にscopedogさんの居場所はないと思いますが。こちらからはそれだけですね。
※2019/10/01 タイトルをわかりやすく修正 さらにちょこっと脱字等修正