特別展「三国志」を見てきて銅鏡の展示について考えたこと

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キービジュアル?だった関羽
 特別展「三国志」が東京国立博物館で9月16日までやってたので先日見てきた。終了直前に思い出し、危うく見逃すところでした。3時間くらいでまわれるかと思って閉館時間まで粘って3時間くらいの目安で行ったのだけれど全然足りず。真面目にみるなら5~6時間必要かもしれない。
 展示はよかったですよ。特に当時の生活感がわかる展示がよかったです。三国志って戦闘に注目されがちなので、そういう当時の生活が想像できる文物があるとぐっと身近に感じられるので。人形劇三国志三国志から入った自分的には川本喜八郎の人形も懐かしくてよかった。
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穀倉楼 シルバニアファミリーっぽい
そのなかで、ちょっと考えさせられたのが鏡台の展示です。
鏡台の写真
鏡台
 出土した副葬品なので実際に使われていたものではなく土器みたいなものなんだけど、写真のように展示されていた。もしかしたら、高さ調節できたのかもしれないような作りになっていて感心すると同時に展示に違和感を覚える。鏡面が逆じゃない?これ。こういう風に使ってた訳じゃないよね。片付けるときはこうだったかもしれないけど。ということは出土したときの状態はこれだったのか?もしかすると、このもこもこしてる方が鏡面なのか?といろいろ考えながら裏から見てみるとやっぱり鏡面裏だよなぁ、という感じ。
鏡台の裏側の写真
鏡台裏側
 ご丁寧に穴まで空いており鈕(丸いでっぱり)の部分で固定する(紐使うのかな)ためっぽい。となると、どうしてこういう風な展示になったか凄い気になってくる。素人考えの一つの仮説だと、銅鏡の展示と関係しているんじゃないかなぁ、と。銅鏡って現在、鏡面自体は関心を持たれることはなく、裏面の装飾とか銘文とかに関心が集中するので、基本展示も裏面が基本になっている。教科書にもだいたい裏面しか載ってない。鏡面錆だらけで展示しても、なんだか分からないという問題もあるだろうし、真っ平らな方より装飾してある方を見せたくなる気持ちも分かる。だから、この鏡台の展示でも裏面を表にしてるのかもしれない。でも、鏡台の展示の場合はやっぱり使ってるときの姿で展示した方がよいのじゃないかなぁ、と思った。特にこの鏡台の場合、裏面にも工夫が見られるし、仮に出土したときの状態がこのまんまだったとしても、鏡面を表にして展示した方が、当時の生活感がよりリアルに出たんではないでしょうか。まあ、専門家が考えた末にこうなってるのだから、やはり裏面を見せたかったということなのだろうけども。でも、当時の人がどう使ってたかというのを写真で補足するなりしてもらうとよかった気がするのでした。そういう意味では銅鏡の展示も鏡面がどうなっているのか補足で説明するような展示できないかなぁ、と思う。印の場合は、それこそ鏡を使って印面を見せる展示をしてるわけで。全部でやる必要はないと思うけど、一点くらいはそういう展示があってもよいんでは?と思った次第です。でも、なんの意味があるんだ?、それって言われちゃうかな?やっぱり……。