古典

河童の両腕は、なぜつながっているのか?国立国会図書館デジタルコレクションを使って調べてみる。

河童の通臂は、中国のテナガザルの説話から持ち込まれたもの。証拠あり。

ニホンザルの猿にあらざりしこと

ニホンザルは猿じゃない、ということを知ったは中野美代子著『孫悟空の誕生』(1987,福武文庫,底本は1980)だった。本書でかなりしっかりと解説しているにもかかわらず、取りあえずニホンザルは猿じゃないらしいと言う程度しか理解できず、ちゃんと飲み込…

イカ墨で書契をなすこと

気をつけよう。イカ墨パスタ。

19年前に岩波新書で指摘された誤訳が直されずにそのまま河出書房新社から文庫化

気付いてやれよ……って無理か 5年ほど前に以下のようなものを書いた。 eoh-gs.hatenablog.com ホルヘ・ルイス・ボルヘスのアンソロジー『夢の本』(堀内研二訳 国書刊行会 1983年 原題 LIBRO DE SUEÑOS) の中のエピソード「死の宣告」、実は『西遊記』の中の…

動き回る死体と幽霊の境目

ちょっと前に話題になった以下の記事を読んでの思い出し雑感。 なぜ日本の昔話にはゾンビがいないのか?雑文 http://nenesan0102.hatenablog.com/entry/2018/03/16/221105 確かに日本の昔ばなしには死体が動き回ってなにかをする、という話と思われている話…

誤訳から得たモノと漢字の落とし穴

先日、部屋のお片付けの途中にみつけた、柳瀬尚紀訳の『ボルヘス怪奇譚集』を再読していたら一話目からいきなり変。 その夜、子の刻に、皇帝は夢をみた。宮廷を出て、闇のなか、花をいっぱいにつけた木々の茂る庭園を散策していた。何かが足元にひざまずき、…

鹿の鳴き声について

「鹿鳴館」って歴史の授業で習ったけど、そういえば鹿の鳴き声って聞いたことない。「鹿鳴館」の命名の典拠は『詩経』〔鹿鳴之什〕呦呦鹿鳴(ゆうゆうと鹿鳴く)のようだけど呦呦(ゆうゆう)ってどんな音じゃろ?よくわからない。YouTubeで探してみたらこん…